健康知識 : 認知症
認知症サポーター
認知症
認知症とは?
さまざまな障害が起こり、生活面での支障がある状態が(およそ6か月以上)継続している状態とされています。
認知症にはいくつかの種類がありますが、主なものとして、次の4つが挙げられます。
アルツハイマー型認知症
大脳皮質連合野や海馬領域を中心に、「βアミロイド」や「タウたんぱく」という異常なたんぱく質が神経細胞内にたまって神経細胞が死んでしまい、発症します。比較的早い段階から、記憶障害、見当識障害のほか、不安・うつ・妄想が出やすくなります。[約50%を占める]
レビー小体型認知症
脳の神経細胞の中に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質のかたまりがみられ、手足が震える、小刻みに歩くなどのパーキンソン症状や、実際にはいない人や物が見える「幻視」を伴い、症状の変動が大きいのが特徴です。[約15%を占める]
前頭側頭型認知症
司令塔役の前頭前野を中心に障害されるため、がまんしたり感情をコントロールするなどの 社会性を失い、「わが道を行く」と言われるような行動になりやすいことが特徴です。
脳血管性認知症
脳の血管が詰まる「脳梗塞」や血管が破れる「脳出血」、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが 壊れて、意欲が低下したり複雑な作業ができなくなったりします。脳がダメージを受けた部位に よって症状が異なります。[約15%を占める]
認知症の症状は、もともとの性格やその人が得意な事・苦手な事などもあり、一律ではありません。以前はできていたことができなくなった、様子が変わったなどがサインになります。認知症は誰でもかかる可能性のある身近な病気です。
「加齢によるもの忘れ」と「認知症による記憶障害」の違い
加齢によるもの忘れ | 認知症の記憶障害 |
---|---|
経験したことが部分的に思い出せない | 経験したこと全体を忘れている |
目の前の人の名前が思い出せない | 目の前の人が誰なのかわからない |
物の置き場所を思い出せないことがある | 置き忘れ・紛失が頻繁にある |
何を食べたか思い出せない | 食べたこと自体を忘れている |
約束をうっかり忘れてしまった | 約束したこと自体を忘れている |
物覚えが悪くなったように感じる | 数分前の記憶が残らない |
曜日や日付を間違えることがある | 月や季節を間違えることがある |
認知症に早く気づくことが大事!
「認知症はどうせ治らない病気だから、医療機関に行っても仕方がない」と考えていませんか?
認知症も他の病気と同じように、早期診断と早期治療がとても大切です!
早く気づくことのメリット
- 発症の原因によっては、早い段階で治療を開始すれば改善が可能なものもあります。(正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症など)
- 早期の対応で、その後の症状の緩和や進行を遅らせることができます。
- 今後の生活の準備をすることができます。(介護保険サービスを利用するなど生活環境を整えていけば、生活上の支障を減らすことも可能になります)
自分でできる認知症の気づきチェックリスト
とうきょう認知症ナビ に、自分でできる認知症の気づきチェックリストがあります。気になり始めたらチェックしてみましょう。
自分でできる認知症の気づきチェックリスト
- 20点以上の場合は、認知機能や社会生活に支障が出ている可能性があります。
- 気になる時には、かかりつけ医や「もの忘れ相談医」(板橋区医師会サイト) 、「おとしより相談センター(地域包括支援センター)」(板橋区サイト) へ相談してみましょう。
注意
- このチェックリストの結果はあくまでもおおよその目安で医学的診断に代わるものではありません。認知症の診断には医療機関での受診が必要です。
- 身体機能が低下している場合は点数が高くなる可能性があります。
認知症に関するお問合せ
当院院長は、認知症サポーターキャラバン・メイトです。無料でご相談いただけます。いつでもお気軽にお問合せください。
板橋区の認知症関連情報は、板橋区サイト「認知症」ページ をご覧ください。
認知症サポーター
認知症サポータとは?
「認知症になっても安心して暮らし続けて行くまちづくり」をめざして、主に下の3つをふまえてさり気ない支援をする人です。
- 認知症を正しく理解する
- 認知症の人や家族を温かく見守る応援者になる
- 自分のできる範囲で活動する
たとえば、友人や家族にその知識を伝える、認知症になった人や家族の気持ちを理解するよう努める、隣人あるいは商店・交通機関等、まちで働く人として、できる範囲で手助けをする、など活動内容は人それぞれです。
また、認知症サポーターは認知症を支援する「目印」として、ブレスレット(オレンジリング)が支給されます。この「オレンジリング」が連係の「目印」です!
そして、サポーターの中から地域のリーダーとして、まちづくりの担い手が育つことも期待されています。
どうしたらサポーターになれるの?
キャラバン・メイトが講師をする「認知症サポーター養成講座」を受けると「認知症サポーター」になれます。受講料は無料です。(当院院長は、キャラバン・メイトです)
認知症サポーターになりたい方は、各自治体の窓口へご相談ください。
板橋区内在住、在勤・在学の方は下記のページをご覧ください。
また、認知症サポーターやキャラバンメイトの本部機能は、全国キャラバン・メイト連絡協議会にあります。詳しくは「認知症サポーターキャラバン」サイト をご覧ください。
板橋区内の「高齢者あんしん協力店」
認知症になっても安心して暮らせるまちづくりに賛同する、事業所向け認知症サポーター養成講座を終了されたサポーターがいる事業所です。
事業所として何か特別な対応をするわけではなく、認知症の人が事業所に来られた時、暖かい目で見守りながら、優しい対応をするというものです。
事業所リストは、板橋区サイト「高齢者あんしん協力店」をご覧ください。