田村はり治療院

やさしいはり・きゅう治療

健康知識 : 花粉症

花粉症って何?

御存じの方も多い事と思いますが「花粉症」という病名は無く、花粉等に起因するアレルギー症状をさします。アレルギー症状なので多くの症状が起きるのですが、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみや充血、咳きやのどのかゆみ等の症状を訴える方が多いです。

これらの症状は身体の害になる異物を外に出したり、進入を防いだりする防衛反応の1つなんです。ところが花粉症の方は、この防衛反応が過剰に働いてしまい、特に害にならない程度の花粉やホコリ等にも過敏に反応し、過剰なくしゃみや鼻水・涙等の症状が出てきてしまうのです。

戦後から現れて近年急増し、非常に多くの方が花粉症に悩まされています。人為的なスギ・ヒノキの増加、大気汚染、住宅の気密性向上に伴いダニ・カビの増加、日常的に化学物質が蔓延、食生活の変化、偏食や抗生剤(抗菌剤)による腸内細菌の激減・不均衡、幼児期の愛情不足等々…いろいろな原因が考えられています。

花粉症の症状を軽くしよう!

症状を軽くする大切な要素は、大きく分けて5つあります。神経質になっては逆効果なので、心にも体にも無理なく出来る程度にお役立て下さればと思います。

花粉などを体内に入れにくくする

御存じの通り、花粉・ホコリなどのアレルゲン(アレルギー症状を引き起こす抗原)が体内に入ると、アレルギー症状が出てきます。これを体内に入れにくくすれば症状は軽くなります。最も判りやすい方法ですね!

花粉をカットしよう!

外出時には
マスクをつけましょう!(2つの効果があります)
  • 口や鼻からの花粉侵入をカットします。
  • 鼻・口腔の湿気を保ちます。
湿気が保たれると刺激が減りますし、扁桃では免疫機能を、鼻やのどでは異物を外に排泄する機能を保つのに役立ちます。マスクは、不織布をお勧めします。ガーゼマスクでは花粉カットの効果は期待できません。
服装は、表面がツルリとして、はたいて花粉を落とし易いものにしましょう!
起毛やセーターなど、花粉が着き易く落ちにくい服装だと大変です!
髪の毛は、花粉を落とし易い帽子に入れましょう!
特に髪が長く下ろしている方は、鼻や口のそばに髪が近付きやすいので、効果が高いと思います。
花粉の飛散量が多いと言われる、昼過ぎや日没頃は外出を控えましょう!
とは言えこの時間、外に出なければならない方が沢山おられますよね。なるべく外出時間を短時間ですむようにしましょう。
排気ガスやホコリの多い場所、風の強い場所や直にエアコンの風が当たる場所は避けましょう!
排気ガスに含まれる化学物質や、風が運んでくるホコリ、急な温度変化・乾燥により症状が誘発・悪化されます。
外出から戻ったら
帰宅の際、服・髪の毛などをよくはたいてから、家に入るようにしましょう!
なるべく花粉を家に入れないようにするのが基本ですね。また玄関付近にコート掛け等を置き、そこに上着を掛けておく様にすると一層効果的でしょう。
流水で顔・鼻・眼を洗いましょう! 眼鏡を掛けている人は、眼鏡も洗いましょう!
ついている花粉をしっかり洗い流しましょう。眼鏡は特に鼻当ての部分を洗い流しましょう。流水で30秒程度かけて流せば、大部分落とせると言われています。
うがいをしましょう!
口腔に入り込んだ花粉を流す意味だけでなく、扁桃を刺激し免疫力の保持を助けると言われています。
普段
朝に掃除をしましょう!
朝にはホコリや花粉は床の上に積もっていますから、バタバタと慌ただしく掃除するのでは効率が悪いですよね。積もった物が出来るだけ舞い上がらない様に気を配って掃除をすれば、効率良く綺麗になります。マメに掃除をしましょう!
朝に空気の交換をしましょう!
花粉の飛散量も少なく、澄んだ良い空気を部屋に入れましょう。マイナスイオンの充填やカビ防止にもなりますね。
洗濯物は、よくはたいてから入れましょう!
帰宅時と同じく、外に干した洗濯物には花粉やホコリが着いています。よくはたいてから取り込みましょう!

IgEの産生を押さえる

異物から体を守るために作られる抗体という物があります。IgEもその一つですが、過剰に反応しやすく、アレルギー症状を引き起こしてしまいます。

タンパク質は消化によって一番小さな単位のアミノ酸まで分解され、腸で吸収されます。しかし、高タンパクの食物(卵・牛乳・お肉など)だと、そこまで分解されず、大きな分子のままで吸収されてしまう事があります。すると、その吸収物を異物と感知してIgE抗体の産生が始まる訳です。

また、最初の消化液であるだ液が食物によく絡んでいないと、消化不良で同様の現象を引き起こし易くなります。つまり気をつけることは…

  • 高タンパクの食物を控えましょう!
  • よく噛んで食べましょう!
  • 大食い、早食いはやめましょう!

体力を維持する

風邪をひいた時など、体調が優れない時って、アレルギーの症状が酷くなりますよね。つまり体調を整えておく事で症状を軽減する事が出来ます。

十分な睡眠をとりましょう!

睡眠は心身のの休息です。寝て疲れをとると言いますが、体の修復時間なのですね。起床・睡眠・労働・休憩の時間など、生活のリズムによっても睡眠は左右されます。規則正しく生活し、気持ちよく休みましょう!

しっかりと食事をとりましょう!

食べものによって、人の体は出来ていますよね。食生活の乱れは、体調の乱れになって現れてきます。偏食の無いよう、様々な味覚のものを少しずつ頂きましょう!

適度な運動を日常に取り入れましょう!

日頃の運動によって、過剰に増えたIgE抗体が減少してくるデータも出てきています。動物の体は動くのに都合良く出来ていて、逆に動かなくなると様々な不調が出てくるものです。毎日楽しく続けられる運動をしましょう!

体を冷やさないようにしましょう!

体を冷やすと様々な生体機能を低下させてしまいます。例えば消化機能・基礎代謝・免疫活動・脳の活動・自律神経機能の失調などなど。ですから体の冷えに気を付けて生活しましょう。具体的には、喫煙・冷たい飲食物(特に炭酸物は症状がで易いようです)や生野菜、特に辛いものは刺激物でもあるので避けましょう!

血液をサラサラにしましょう!

TVなどでも連日の様にでてくる、いわゆるドロドロ血。これは血液の中に流れる脂肪の量が異常に多い状態で、花粉症の症状も酷くなります。飽和脂肪酸の多い動物性脂肪(チーズやバターなどの乳製品、肉、卵)を控え、植物性脂肪や青魚(サバ・アジ・イワシなど)を多く摂るようにすると良いでしょう。

お酒は適度にしましょう!

酒は百薬の長と言います。適度に飲めば、胃液の分泌促進、善玉コレステロールを増やして動脈硬化を防ぐなどのお薬なのです。しかし度を超して飲むと、脂肪肝やアルコール性肝炎に成りかねません。また、お酒は一時的に体を温めますが、その後冷やす方向へ向かいます。花粉症の方は、お酒を飲んだ翌朝は症状が酷くなっている経験があると思います。出来るだけ飲まない方が良いでしょう。

出来るだけ薬に頼らないようにしましょう!

少し熱が出ただけでも薬(ここでは抗生剤以外のもの)を飲む方がいますが、元々持っている免疫力を怠けさせ、働きが鈍ってしまいます。また、体内に入った菌を発熱により退治するのですが、薬による強制解熱で菌等が退治されないまま、体に潜伏してしまう事になります。

自分の免疫力を使って自然に治癒した方が、長い眼でみれば結局短い時間で体力も戻り易いのです。ただし、ひどい高熱やひどく体力が落ちている時はちゃんとお医者さんの診断を受け指示を守りましょう!

腸内環境を整えましょう!

通常、腸には常在菌と呼ばれている、たくさんの菌が生活していて私たちの手助けをしてくれています。でも、お砂糖の取り過ぎでいわゆる悪玉菌が増殖したり、抗菌グッズの使用や添加物、抗生物質の摂取により、常在菌全体の大規模な死滅が起こったりします。

この様に腸内環境が崩れると、アレルギーの症状も酷くなりますし、お肌の荒れやくすみなどが出るのも知られていますよね。一度崩れた腸内の環境を戻すのには時間が掛かります。善玉菌を増やすオリゴ糖、腸内の掃除をしてくれる食物繊維の豊富な物などを摂りましょう!

鼻呼吸&腹式呼吸をしましょう!

肩や胸で呼吸するのではなく、お腹を膨らませたりへこませたりして、口から吐き、鼻から吸います。まずゆっくりと息を吐ききります。そのまま数秒止めてから、ゆっくり息を吸い込み、数秒止めて吸い込んだ時間の1.5倍くらいの時間をかけてゆっくり吐きます。

この繰り返しを数分、毎日1回はやってみましょう。鼻呼吸をすれば鼻の通りも良くなるし、のどや口腔の乾燥を防ぎます。腹式呼吸は内臓の働きを助ける他、自律神経を整え精神の安定にもつながります!

自律神経機能を整える

自律神経機能で、副交感神経が優位に働き過ぎていると、アレルギー症状が強く出てきます。生活を見直す事で自律神経機能を整え、アレルギー症状を軽減させましょう。

アレルギーは自律神経が副交感神経優位に偏り過ぎる(自律神経失調状態といってもいいでしょう)と症状が強くでてきます。自律神経の働きを乱す原因は沢山あるので、個々のケースに応じて細かく調べてみない事にはなかなか判りませんが、基本は「過ぎた事をしていたら注意」「過ぎた状態が続いていたら要注意」です。下記の事を確認してご自身はどうか考えてみましょう。

  • ストレスが溜まっていませんか? 緊張感がなさ過ぎていませんか?
  • 飲食を摂り過ぎていませんか? 逆に不足していませんか?
  • 睡眠は取り過ぎていませんか? 寝不足が続いていませんか?
  • 運動し過ぎていませんか? 運動不足ではありませんか?

…等々です。上に書いた様に、アレルギー症状は副交感神経が優位に働いている時に強く出やすいので、シャキッと緊張感を持つと症状が軽減する事はよくあります。ただし、緊張した状態が続けば「過ぎた状態」になるので、自律神経の調整が乱れやすいです。単純に○○すればいいという事では、決して自律神経の調整機能はバランスを取り戻さないでしょう。ご自身の生活で過不足がないかを見直して、修正していく事が最も大切です。

精神を安定させる

イライラや精神の乱れと同調してアレルギー症状は酷くなります。また、TVで花粉の飛ぶCMなんかを見るだけでも、アレルギー症状が出てくる事があります。これは心理面も非常に関係している現れですね。

イライラしたり、落ち込んだり、ストレスを溜め込んだり…いろいろな心の揺れがありますね。心が病むと体も病んできます。例えば自律神経のバランスが崩れたり、免疫力が落ちたりします。逆に心が安らかな時には、少々の病があってもへこたれないですよね。

花粉症も同じで、イライラすると酷くなったり、嫌だなーとか、花粉症のせいでこれが出来ない等、ネガティブに考えていると、花粉の飛んでいるCMを見ただけでも症状が出たりしますしね。

自分が夢中になる事、楽しい事に夢中になっている時、自然と花粉症の症状が軽かったりおさまっていたりしませんか?
自律神経の働きもありますが、心の力も大分あると思います。ですから、心を落ち着ける事って大切なんですよ。どうしたらいいのかは、人によりけりですが、

  • 自分を知る事
  • 我がままにならない事

これは誰にでも大切な事だと思います。
なぜイライラするのか?落ち込むのか?ストレスに感じるのか?を考えてみましょう。

例えば、自分の望みと、周囲の反応や行動が食い違うからではないでしょうか?
気付かないうちに、相手に何かを望んでいて、相手はその通りにならない。こういうストレスがイライラや落ち込みを招く事がよくありますよね。望み通りに人を変える事はまず出来ませんね。でも、気付かない自分の欲望を知り、自分が見えてくると、あぁそうだったのか!このイラつきは、私が相手にこう望んでいたからなんだな…私は我がままだなぁ(笑)などと、気付かずにいた自分を知る事が出できるでしょう。肩の力が抜けて、気持ちが楽になると思いますよ!

鼻水・鼻づまりのツボを押してみよう!

鼻水・鼻づまりのツボの図

迎香(げいこう)

読んで字の如し「香りを迎える」つまり鼻が通るという有難い経穴です! 鼻の脇にありまして、逆の耳の奥(鼓膜あたりのイメージ)に向かって押します。

上星(じょうせい)

正中線(左右方向でいく真ん中)上で、前髪の生え際を少し入った辺りです。この辺りで頭がブカブカしていたり、凹んでいたりする所を皮膚に対して垂直に押します。

上天柱(かみてんちゅう)

頭と頚の付け根の後ろを探ると、左右に1本づつ筋肉がありますね。その辺りを逆の目の方向へ押し込みます。この場所は、この「押し込む」がポイントです!

どの経穴も、その辺りを押して探してみると、そこだけ特別な響きを感じます。そこがあなたのツボです!!
呼吸をゆっくりとして、息を吐く時に「じわ〜っと」押し、吸う時に「ゆっくり」放しましょう。すぐに鼻が通ってきますよ!